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執筆者の写真亀下 渚

命の滸展 2019年個展

更新日:2020年8月1日



個展のコンセプトは

「越えられない命の一線の向こう側」

でしたが、そのコンセプトに加えて着物に描かれているガマズミという植物の花言葉をモチーフに制作した作品となっています。この作品のタイトルは「傾慕に想う」です。


ガマズミには多く花言葉があり、


そのなかの

『 愛は死より強い』という花言葉はまさにオオカミそのものと思い同じ空間に書きました。白いのはガマズミの花です。


オオカミは絆、仲間、種族を愛すること、彼らの仲間の死の捉え方が人にはできない野生動物ならではの愛は、まるで死も生も同時に生きているような生き方でまさにそれを射た花言葉でした。

生き方を含めてこの作品には愛は死を超越しているという想いを込めた作品です。

愛なんて少し恥ずかしくて若い時にはっきり言えませんでしたが、この作品には私にとってのオオカミへの愛や、彼らの愛の形を表現しました。


この着物に是非描いて欲しい!と沢山お声をいただいていたのですが、絹に描くことの難しさ、伝統工芸の職人さんへの尊敬の気持ちからなかなか制作できず、4年くらい経ち技術も上がったので腹を括って制作にあたりました。

大学の授業の一環で一年を通して反物の織元さんと関わりを持っていたので絹や着物には特別な気持ちがありなかなか着物を染められませんでした。

日本伝統の美しい着物は職人さんが作ってくださるので、もっと敷居を下げて絹の美しさを知って頂くために他の価値を持つ着物が自分の技術で作れれば見る人たちの幅も少し広がり、着物や絹への価値も変わると考えて着ることよりも、見せる、絵画としての価値をもつ着物を制作したいと決めました。





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